| 今、世界において、日本のアニメ・マンガ・ゲーム文化は、頂点を極めています。「ANIME」は国際語となり、アメリカ各地のマーケットでは日本製アニメのフィギュアが溢れ、ハリウッド映画の大物監督たちがこぞって日本製アニメからの影響を公言するほどの、一大ムーブメントを巻き起こしています。 村上隆という巨大な才能の存在もあってか、その文化的影響力は現代美術界からファッション業界にまで及び、その膨張は留まるところを知りません。一説では、潜在的な需要を統計すれば、日本アニメの世界シェアは8割を超えているといわれるほどです。 ではこの新しい波を、肝心の日本はどのように捉えているでしょうか。まだまだ一部の愛好家たちによる狭い世界のもの、という認識しかないように思われます。成熟を極めた「ANIME」は、いつしか国内市場では苦戦を強いられる状況にすら陥っています。 そんな中、未だ活発な活動を続けている分野があります。「マンガ」を肴にした「マンガ」…同人誌業界です。コミックマーケットと呼ばれるフェスティバルや、草の根レベルでの同人誌即売会において膨大な量の同人誌が取引され、そこだけは日本経済の後退の匂いは全く感じられないと言って良い程に、活気を帯びた世界を形作っています。 では、そのように多くの人を熱狂させることとなった同人誌とは、いかなるものなのでしょうか。簡単に言ってしまえば、既存のメディアに登場したキャラクターを借用して、オリジナルのストーリーを作り、ファン同士で売買をする巨大なメディアであり、「やおい」というものも、数有る同人誌の中のいちジャンルでしかありません。メディアから情報を受け取る側であった人達が、自らも何かを表現し、発信する場として同人誌は存在していると言えるのではないでしょうか。 しかし、今までのアニメ・マンガ以上にメディアへの露出が少ないだけに、その内情は殆ど語られてこなかったというのが現状です。今回「青春801あり」が試みたのは、青春ドラマの形を借りて「やおい」というものから女性の視点で10代の心を描くと同時に、この知られざる巨大文化現象の内情を探る試みでもあるのです。 娯楽が細分化・多様化を果てしなく続ける中、魅力の無いものに若者が集まることはありえません。何故自らも何かを表現する事に魅力を感じているのか。そして、何を今若者たちは感じているのか、素直な気持ちで、少年少女達のもう一つの側面を覗いてみませんか? |