第七回

黒影





「それで?」
レイスがもう一度聞く。この台詞もダロークと出会ってから何度目であろうか。
「オレはタルミス、こっちのじいさんはラーンだ。」
少年が言う。
「それはさっきも聞いた!!この事態はどうなっているんだと聞いている!」レイスが唸る。
「さっき襲ってきたやつはオルティ族だよ。ザリス大陸にいるといわれている。おそらくお前の
『ラテナの力』が望みなのだろうな。」
ダロークが割ってはいる。
「『ラテナの力』??呪いじゃないのか?」
レイスがダロークの方に向き直った。
「ラテナゆえ命を欲する、これすなわちラテナの呪いよ。そして命欲するゆえ宿主に力与えん、
じゃ。」
後ろから老人、ラーンの声が聞こえた。ラーンは船の最首尾に座っている。
「どういうことだ?!」
レイスが聞く。
「他の命を奪うとき、他より多くの力を持っていなければならん。これは自然界の法則のひとつ
じゃて。それゆえ宿主に命を奪わせるラテナの呪いは、目的を宿主に遂行させるため宿主に
己に宿りし力を貸し与える。」ラーンが答える
「そうだ…だから悪意を持ったやつや人を殺すことを目的としてるやつにはなんのデメリットも
無い、格好のパートナーってことよ。」
ダロークがあとを引き継ぐ。
「…そうか。いろいろとやっかいだな……」レイスがため息をついた。
「くやんでも仕方ないよ。それよりラテナを破壊することを考えなくっちゃ。」タルミスがレイスの
肩を叩いた。
「それで、この船はどこへ向かっている?して貴様らはなにものだ?」
レイスが改めてタルミスとラーンに聞いた。
「船はジルク大陸に向かっている。とりあえずおまえがラテナの呪いを見つけたという洞窟へ行
かなきゃならんな。覚醒度を見なければならんからな〜。本当は陸路のほうが近いんだが、オ
ルティ族のやつらが五月蝿いからな。海路だと五日はかかるぞ。」ダロークが言った。
「それから俺達はタルミスとラーンっていうんだ。よろしく。」
レイスは先が思いやられるな、と思ったが返事もする気力もなかった。

船は黒い水の上を青白く光る星々を引き連れて流れていった。


第八回






uuhp